出版業界の現状
出版の現状を知っておくだけでも、出版に対する意識は変わってきます。
出版業界の現状をお伝えしていきますね。
出版業界は大きく分けて、出版社、取次(問屋)、書店から成り立っています。
出版社は3,500社、取次26社、書店14,000店あります。
毎日200点以上の新刊ができ、年間80,000点以上が出版されています。
新刊は、出版社から取次を経由して書店へ配本され、陳列されます。
ただ、すべての新刊が書店へ陳列されるとは限りません。
たとえば、初版4,000部の本は14,000書店へ配本されることは物理的に不可能です。
そこで、出版社や取次は売れそうな書店へ配本をします。
配本の基準は、類書の売れ行きをデータを見ながら売れる書店へ配本をしているのです。
配本は、出版社が決まる場合と取次が決める場合とに分かれます。
配本の傾向として、多くの販売実績がある書店へ配本されています。
ビジネス書の場合は、首都圏で売れ出し地方へと波及していきます。
首都圏で売れ出し、重版分から地方へ配本され全国に拡散されて行くのです。
あと、出版業界の特徴として返品があります。
書店は売れない本を返品することができるのです。
返品は書店から取次を経由して出版社へ戻り、本を改装(カバー、本の汚れとる、帯を巻換えなど)して、受注に応じて書店へ出荷されていくのです。
そうなんです。
返品は再生して書店と出版社を行き来して、売れていくのです。
次は取次です。
出版業界の要です。
本を運ぶだけが、業務ではありません。
書店の売れ行きデータと返品データを持っています。
データにより、売れている本を書店へ提案をして、返品リスクを軽減しているのです。
ただ、データに頼りすきると書店で商品構成が似通ってしまいます。
商品構成こそが、書店員さんの腕の見せ所なのです。
データは参考程度にとどめ本来陳列すべき本や、考えて陳列して売れた本は、書店員の醍醐味なのです。
なぜ、このようなことが言えるのでしょうか?
実は出版社や書店を取引先として、現場に行き情報を得ているからです。
書店は、大型書店ほど売上が高いため取次からの配本や出版社営業マンの訪問により、新刊情報や他店舗からの情報を得られるメリットがあります。
中規模書店では、100~150坪書くらいでロードサイドに店舗を構えていた時期がありましたが、現在では500坪以上の大型店が駅前や駅ビルのテナントして入っています。
2010年以降書店事情も変わり、本だけでなく文具やカフェとの併合または、雑貨を品揃えした書店が増えてきています。
まさに時流です。
出版業界は雑誌6と書籍4の売上比率でしたが、現在では雑誌より書籍の売上が上回り、逆転現象が起きています。
出版全体の総売上は2015年現在で1兆4,000億円となり、年々右肩下がりになっています。
読者の得たい情報は、本だけはなく簡単にWebから得られる状況になったことが大きな原因のひとつです。
電車の中で本や雑誌を読んでいる方が、めっきり少なくなりましたからね。
ですが本を読む方とは反対に、出版をしたいという方は増えています。
出版点数だけは、年々増え続けていることからも分かります。
本を出版するにあたり、出版プロューサーや出版に向けてサポートしてくれる方が増えてきています。
最近では、著者やコンサルタントの方が出版講座を開講しています。
金額は30万円~300万円以上と幅が広く、個別対応や講座形式など様々です。
出版形態には自費出版といって著者がお金を出せば、本は出版できます。
商業出版(出版社が費用を持つ)と自費出版において、本を出版することに変わりはありません。
最後にひとつ言えることは、出版しても本を売らないといけません。
販促に関しては、別の機会にお伝えしますね。
実は、出版は簡単の様で奥が深いのです。