データとは違う書店でのにおい
書店では、データ重視をして商品構成をしています。
しかし、どこの書店の同じ商品構成になってしまいがちです。
確かにデータで売れた本は、売れる可能性があります。
ただ売れた本は過去の結果であり、必ずしも陳列したから売れるとは限らないのです。
取次(問屋)は、書店へ本の搬入と搬出をしているので、配本数と返品数が分かります。
実売数は多くの書店が公開していますで、もちろん取次も把握しています。
そのため取次は実売データをもとに、商品構成を書店へ薦めているのです。
取次からすると、売れる本を書店へ供給すると返品が減少して、流通コストが下がります。
効率化です。
膨大な本を効率よく流通することは、取次の目指すところです。
ですが、売れている本を供給し続けていると、書店の商品構成に問題がでてきます。
読者が本を選ぶ、範囲を狭めるているのです。
本来書店は、読者が購入するべき本を陳列するべきなのです。
書店は来店する読者の傾向を、掴んでいることが売れる本の前提にあります。
思いがけず、書店で本を発見して購入したことのある読者は、多いはずです。
衝動買いです。
読者は本との出会いを求めて、「期待」をして訪問しているのです。
ですが、書店員さんは毎日入荷される本の陳列で忙しく、データ重視の商品構成になっているのです。
出版社も倉庫に本を眠らせておくより、書店へ陳列していただくために販促企画を考えています。
フェアです。
ご存じなのは毎夏におこなわれる新潮文庫、角川文庫などです。
帯を統一して、店頭を賑わせています。
フェアは、売れている本をまとめます。
以前出版社は、在庫過多の本をフェアに組み込んでいましたが、現在では売れ行き良好書が中心です。
売れない本を出荷しても、返品になる可能性が高いですからね。
本はフェアにより売れ出し、重版される本もあります。
フェアという仕掛けで、売れ出す本もあるのです。
本は見せ方と商品構成により売れて行くのです。