面白い出版販促企画があります
夏は大手出版社を中心に文庫フェアが、大々的に多くの書店で開催されます。
アイテムは統一されており、どこの書店でも同じです。
唯一違うのは書店の規模により、本のアイテムと冊数が異なるのです。
出版社在籍時にフェアの企画をしていたのですが、出版社にも事情があるのです。
フェアは、多くの売上が見込めるのです。
ただ出版社の企画が書店のニーズにマッチしているとは、限らないのです。
そこである書店は、面白い販促企画を立てたのです。
多くの企画は出版社が考え書店へ提案するのですが、ある店長は違ったのです。
その企画は・・・・・・・
出版社へ、棚1段を提供したのです。
棚1段に面陳列(本の立て表紙を見せる)が7点、入ります。
出版社を7社募り、各社1点のみ面陳列をするのです。
新刊、既刊は問いません。
売れるであろう本や、売り出したい本を選ぶのです。
営業マンは、商品選定を必至に考えます。
なぜならば3週間陳列をして、一番売れた本は棚1段を1カ月独占して活用できるからです。
この書店はチェーンだったので売れた本は、同チェーンへ紹介されます。
本が売れ出す、きっかけ創りの一例です。
営業マンも書店員さんも面白がり、大いに盛り上ったのはいうまでもありません。
ですが残念ながら、今は閉店しています。
もうひとつ、面白い販促企画をお伝えしますね。
ある書店店長からお招きをいだだき、参加しました。
書店員さんが主催している「広島カープの会」という、仕事を交えた懇親会があります。
書店店長と営業マンにおける人脈で、80人くらい営業マンが集まり会場は熱気でムンムンです。
広島カープのユニホームを着た方や帽子をかぶった方を中心に、各々贔屓にしているプロ野球チームのファンが集います。
断然広島カープファンが多いのですが、巨人ファンとして参加しました。
アウェイ感はありますが堅苦しくなく、和気あいあいとした雰囲気で開催されたのです。
ポイントは懇親会が中心で、飲みながら仕事をすることなのです。
内容はプロ野球に関した本を持っている出版社が会場でプレゼンをして、売れそうな本を投票により取り決めるのです。
プレゼン中に贔屓なチームの本が紹介されると、出版元の違いはありますが手拍子やメガホンを持ち、ヤンヤヤンヤと応援をするのです。
入賞した本は、書店での陳列と出版業界誌に掲載されます。
さらにスポーツ誌の記者も参加しており、記事として新聞に掲載されるのです。
そのため遊びの要素は万歳ですが、営業マンはかなり真剣です。
改めて出版業界には「熱烈なプロ野球ファンが多くいるんだなぁ」と、感じた会合だったのです。
そういえば野球の流れで出版業界を中心として、毎春開催される野球大会があります。
出版社在籍時に、参加していました。
編集者、営業マン、総務部、宣伝部から野球経験者中心のチーム構成で臨んだのです。
ちなみに中学まで野球をしており、社会人になり草野球チームを結成して楽しんでいました。
大会は他チームで高校球児だった方もおり、やはり群を抜いてうまかったですね。
ですがある年運よく、上から2番目のブロックで優勝をしたことがありました。
日頃、接することがあまりない方と交流を得て、結束を深めたのです。
話がそれました。
企画はテーマを決め面白がり、実行するものです。
企画は社内、社外を含め多くの人を巻き込んだ方が楽しいのです。
営業マンと書店員さんは、日頃から本を売るための企画を考えています。
まだまだ企画次第で本は、売れるのです。