出版業界ではないとあり得ない!?
出版業界は狭い業界であり他業界と比べ、特殊です。
他業界ですと、ライバル会社と堂々と情報交換はしませんよねぇ。
面白いことに出版業界は、おこなわれているのです。
「出版業界全体を協力をして盛り上げて行きましょう」ということです。
出版社時代に、銀行から来た役員がいました。
「今日、●●出版社と飲み会です」
「え~っ!版元(出版社)と飲むの?」
「銀行ではありえない」
と驚かれていました。
ちなみに出版業界では、出版社のことを「版元」といわれています。
情報交換は、内容にもよります。
戦略や秘密事項は、どんなに仲が良くも話しません。
具体的には、大型商品や新たなレーベルの立ち上げなどです。
ですが、初版部数や重版部数、発売日、在庫状況は話します。
たとえば、同じ著者が違う出版社から出版される場合に多くあります。
特に初版部数は関心があり、出版する際の参考にします。
編集者の場合は、売れ子作家の出版の順番を決めることもあります。
そのため、作家を交えて編集者同士で旅行まで行っています。
信頼関係から、成り立っていますからね。
ただ、信頼関係をつくるまでの交流は必要です。
営業では、出版社、取次(問屋)、書店の3社が集まり、会合が頻繁にあります。
泊まりがけの会合もあります。
出張へ行き、宴会と寝泊りをすれば自然と仲良くなります。
面白く、不思議な業界です。
出版不況ですが、出版社、取次(問屋)、書店を含めて、業界全体を盛り上げる風習があるのです。
そうそうこの間、出版広島カープ会に参加してきました。
書店員が主催となり、広島カープファンを中心にした野球好きな懇親会です。
メンバーは出版社、取次(問屋)、書店、業界関係者です。
カープファンではないのですが、ウェルカムでした。
カープ会以外でも、懇親会はおこなわれています。
取次(問屋)を退職した方が主催となり、出版社営業マンを中心とした集まりもあります。
繰り替えしますが、他業界にはない面白い業界なのです。